オオクワガタやクワガタ・カブトの飼育には当然ながら飼育用品が必要です。
成虫飼育はもとより、繁殖させて幼虫から成虫に育てるにはさまざまな飼育用品や飼育剤が必要となってきます。
初めて飼育される方や初めて繁殖に挑戦される方は、本やネットで調べたり、ショップで聞いたりすればある程度飼育の流れは掴めると思います。
ただ、その過程でいろいろな飼育用品や専用品が出てきます。
名称もさることながら、「何に使うの?」「どうやって使うの?」「どういう時に必要なの?」「専用品じゃ無くてもコレで代用出来るんじゃない?」実際飼育を始めてみないと解らない事や知らなかっただけで「こりゃ便利じゃん!」ってことがたくさんあります。
そこでこのページでは、皆様からのご質問を元に、飼育の流れに沿って飼育用品の紹介や解説、うまく使いこなす方法など飼育用品別にご紹介します!
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※写真をクリックすればその用品の詳細や購入出来るページに移動できます。 |
成虫の飼育・管理 |
■飼育ケース
成虫の飼育ケースについては基本的にフタ付きのプラケースを使用します。
オスとメスは別々のケースで飼育・管理(事故防止の為)しますが、一つのケースを仕切って飼育することも可能です。
ケースの大きさは大きい方がクワガタにとっては快適なんでしょうが、たくさん飼育する場合は、鑑賞というより成虫管理といった意味合いから小さなケースに一匹づつ飼育される方が多いです。
最近では、小型のケースは100円ショップでも売られています。
ただ、ケースとフタの間に小バエ進入を防ぐシートを挟むことをお忘れなく!
小バエは室内飼育の天敵ですからね。
ケース内に進入すると瞬く間に餌を肥やしに?増殖します^^。
もちろん最近では、フタ自体に小バエ進入対策のしてある飼育ケースも販売されています。
小バエ侵入対策ケース
■餌
成虫の餌で代表的なものが「ゼリー」です。
「蜜」タイプの液体もありますが、扱いやすさやコスト、栄養面からゼリーをオススメします。
よくリンゴやバナナ、スイカといった果物を与える方もおられますが、バナナはまだしも、スイカやリンゴは水分が多いことから成虫の寿命を縮めてしまいますので止めておきましょう。
また、オオクワガタのオスは大きな立派な大顎を持っていますので、ゼリーの大きさによっては、食べにくそうだったり、顎が容器に引っかかって取れずに苦しむ場合があります。
そんな場合、このスプリッターを使えば解決します。
十字切りのゼリーカッターもあります。
最近では、ワンクラス上のゼリーが発売されており、長寿、産卵数UPに効果があります!
新タイプ昆虫ゼリー “High Effect”
高タンパク質ゼリー
■マット
基本的にどんな種類のマットでもOKです。
ただ、養殖や産卵の為の管理飼育で無い場合、やはり高価なクワガタですから長生きさせてあげたいものです。
そういった場合、自然界同様の広葉樹マット(腐葉土や発酵済でなくても可)がベストです。特にクヌギマットは落ち着くようです。
又、最近では予めダニを駆除したマットも安く売られていますので便利ですね。
上級者の方は、針葉樹マットをベースに管理飼育されてみてはいかがでしょう?
匂いやダニ、小バエの発生が激減します。
ちなみに成虫の管理に使用するだけなら、広葉樹マットに拘る必要はありません。
小バエ、劣化の悩みを解消するこんなものもあります。
■のぼり木・木の葉
のぼり木については鑑賞用飼育で無い限り特に必要ありません。
成虫のお遊び道具ですからね。
ただ、木の葉や木の皮などは、数枚入れておいてあげるのがベストです。
ひっくり返った時に元に戻りやすいですから。
でないと、たまにひっくり返ったまま元に戻れず、体力の消耗で死んじゃったなんて事故も発生しますので・・・。
のぼり木、木の葉ともにショップやホームセンターでも売られていますが、基本的にクワガタ採集に行けばタダ手に入るものです^^。
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繁殖・産卵 |
■産卵木
産卵させるのに最も重要なのがこの産卵木、産卵木の選択です。
産卵木自体はショップやホームセンターでも販売されていますが、実際その産卵木に産卵するかどうかは、産卵するメスの好みによります。
さすがにコレばかりはわかりません。(産卵するメスによって好みがバラバラです^^。)
そこで、産卵木の選択ポイントは、まず理論的、データ的にオオクワガタのメスが好む産卵木を選択します。
これは通常、材質はクヌギが最も良いとされています。さらにカワラタケで不朽したものがベストですが、購入するとなると高価なものですので、クヌギであれば良いでしょう。
もっとも、クヌギよりも安いコナラなんかにも産卵してくれます。
そして何より大切なのは、複数の硬さ、複数の大きさ、複数の材質を埋め込んでやるのがベストです。
これによって、メスが材を嫌って産卵しなかったという悲惨な結果は免れる確率がグンと高くなります^^。
たくさん産卵させたいのは山々ですが、コレ!っと思って用意した産卵木に産卵してくれなかったらショックですもんね。
ほんと。メスの好みは個体によってわからん・・・経験談・・・(笑)。
ただ、経験上あえて言うならクヌギの上材であればまず大丈夫でしょう。
実は、慣れてくれば、コストを安くする為に、クヌギのB級品やコナラといった激安品を使おうとします^^。・・・多分皆さんもそうなるハズです(笑)
このような場合、メスの好みによって大きく産卵数が左右されます。
■産卵木埋め込み用マット
基本的には、どんなマットでも良いのですが、落ち着いて産卵させるならクヌギマットが良いです。
又、割り出し時期が遅れた場合など、幼虫が産卵木より出てしまう場合があります。
そのような場合の為に予め埋め込みマットを発酵済マットにしておけば成長を止めることを少しは避けられます。
逆に産卵木から幼虫が出ないように埋め込みマットを針葉樹マットにしてしまうという手もあります。
■割り出し
産卵セッティング後2ヶ月ほどで産卵木から幼虫を割り出し(取り出し)ますが、通常は、マイナスドライバー等を使って慎重に産卵木を削っていきます。
また、割り出し時にまだ卵の状態のものもあります。
時として卵の状態のものが多く、「もうちょっと待てば良かった・・・」って後悔する・・・なんてこともあります。
でも今は下記のような便利な飼育補助用品もありますので、「備えあれば憂いなし」ですね!
エッグシェルター
【クワガタ稼業の必需品!】ステンレス製スプーン
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幼虫飼育 |
■マット飼育
市販の発酵済マットや添加済発酵マットを使用します。
ただ、やはり大きく育てるには自作マットがベストです。
幼虫が大きく育つ為の餌そのものですから、全てはこのマットの選択次第です。
■菌糸ビン飼育
市販の菌糸ビンを購入します。菌糸ビン飼育は、選択した菌糸ビンによって結果が左右されることもさることながら、温度管理が非常に重要です。
出来れば専用の空調設備を導入してその管理下で飼育することをオススメします。
又、交換時期が遅れるのも致命傷となりますので、早めの交換を心がけましょう。
■材飼育
自然界でのオオクワガタの成長と同じ方法で管理飼育する手法です。
要するに産卵の延長線上での飼育なわけですが、手法としては、一度産卵木から割り出し、コレ!っと思った産卵木(材飼育用の材)にドリル等で穴を開け、一つの材に一頭づつ仕込んで埋め戻します。
使用材が良ければほったらかしでもビッグヒット!ってことも・・・^^。
■添加剤・飼育剤 当館のオリジナル添加剤はこちら
マット飼育や菌糸ビン飼育において、大きく育てる為、型良く育てる為に栄養素として使用します。
成分をそのまま販売しているものやショップやメーカーが開発したものなどさまざまです。
使用方法はそれぞれの成分によって若干の違いはありますが、チョイスや組み合わせ次第で大きく結果を左右します。
この選択、組み合わせこそが、「飼育技術そのもの」であると言い切ることが出来るほど重要且つ飼育の醍醐味でもあります。
この添加剤・飼育剤を使いこなして、ほぼ狙い通りの個体が作出できれば、飼育上級者と言えます。
菌糸ビンへ添加剤や飼育剤を添加する場合いちから製作するのは非常に難しく困難な為、菌糸ブロック(ベース)に添加する方法が簡単です。
■人工蛹室
せっかく大きな蛹になり、期待していたにもかかわらず、羽化不全やディンプルだったら悲しいですよね。
蛹室が羽化前に壊れてしまった場合はもちろん、羽化不全やディンプルを人工的に避けるならこの「スーパー人工蛹室」です。
大型になればなるほど、羽化不全やディンプルは高確率で起こってしまいますので、今やこのような人工蛹室はブリーディングには不可欠ですね。
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便利グッズ |
■幼虫の飼育容器
菌糸ビンやマット飼育の場合、ショップ等で専用のガラスビンやプラスチック製のブロー容器が販売されていますが、専用のものを購入しなくても、代用品で充分です。
例えばインスタントコーヒーの空き瓶。1リットル以上の大きさであればバッチリです。
又、最近では業務販売の食品スーパーなどで良く見かけるブロー容器入りの駄菓子(串スルメや揚げカツ等)なんかは、その容器自体ズバリ販売されているブロー容器です。
これらを知り合い等いろんな人から譲り受ければ結構な数になります。
さらに新品で無くても使用前にどうせ洗浄するのですから中古品でもOKです。
ですからオークション等で中古品を安く集めるのも手ですね。
■大型狙いの飼育容器
大型の作出を狙う為に作られた容器です。
基本的に2リットル以上の大きめの容器です。
外国産種や大型のオオクワガタに育てるにはベストの容器ですね。
■マット・菌糸交換用スプーン
オオクワガタに限らず、クワガタの幼虫はデリケートですので、素手で触るなんてもってのほか・・・なんです。
ですから、ブリーディングには、飼育用スプーンを使います。
かなり便利ですよ^^。
■ペアリング
ペアリング(産卵前交尾)時は、オス・メスの相性や事故防止に神経を払いますね。
でも、オス・メスともに同じケースで少し環境に適応させてからそっと仕切りを外せばうまく落ち着いて同居させることが出来ます。
そういった仕切りつきの飼育ケースも販売されています。
■ブリーディング用冷暖房室
暑い夏や寒い冬は、温度管理が大変です。
特に大きさに拘って狙っている時なんか凄く役立ちます!
「暑い夏。暑すぎて思うように幼虫が大きくなってくれない」
「寒い冬。幼虫が小さくなってしまう」
そんな悩みは解消しますよ。
特にオオクワは寒さよりも暑さが大敵ですからね^^。
■冬の幼虫管理
大きく育てるには、冬場の幼虫管理が重要です。
暑過ぎず、寒過ぎず。
簡単に一定温度に保て、幼虫の食欲も落ちません。便利です^^。
ぴたり適温
簡単作製!簡易温室の作り方はコチラ!
■大きさを正確に測る便利ノギス
昆虫専用に作られたデジタルノギスで0.1mm単位で150.0mmまで測定可能の優れものです。
オオクワの大きさを正確に測定するには最適です。
デジタルノギス150mm
■虫に優しいジャストフィットの安全ピンセット
■幼虫の大きさ(重さ)を正確に測る!
幼虫の重さの計測は「ワクワク」しますね^^。
1グラム単位で一喜一憂・・・。
便利なデジタル計量器です。
容器の重さも差し引いて測れますので便利です。
1グラム単位で5キロまで。
デジタルキッチンスケール
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